▶︎『PERFECT DAYS』
|レビュースコア(5.00満点)
総合 4.05
Filmarks | 映画.com | Yahoo!検索 | プレシネマ
4.1 4.0 4.1 4.0
|あらすじ
東京・渋谷でトイレ清掃員として働く平山(役所広司)は、静かに淡々とした日々を生きていた。
同じ時間に目覚め、同じように支度をし、同じように働いた。
その毎日は同じことの繰り返しに見えるかもしれないが、同じ日は1日としてなく、男は毎日を新しい日として生きていた。
その生き方は美しくすらあった。
男は木々を愛していた。
木々がつくる木漏れ日に目を細めた。
そんな男の日々に思いがけない出来事がおきる。
それが男の過去を小さく揺らした。
出典:公式サイト
|レビュー
東京・渋谷の公衆トイレ清掃員として働く男・平山(ひらやま)の日常を、淡々と、丁寧に追いかけた作品です。
セリフは極端に少なく、劇的な大事件も起こりません。
ただただ彼のルーティン(朝起きて、缶コーヒーを買い、カセットテープで洋楽を聴き、仕事をして、銭湯に行き、文庫本を読んで眠る)が繰り返されます。
・役所広司さんの演技が凄すぎる
セリフがほとんどないにもかかわらず、表情や佇まいだけで平山の内面をすべて表現しています。
特に、朝日に照らされながら車を運転するラストシーン(ニーナ・シモンの『Feeling Good』が流れる数分間)の、笑っているようでもあり、泣いているようでもある複雑な表情の演技は「これだけで観る価値がある」「カンヌ国際映画祭の男優賞受賞も当然」と大絶賛されています。
・日常の小さな光に気づかされる
毎日同じことの繰り返しに見えて、平山にとっては「毎日が新しい一日」。
木漏れ日の写真を撮ったり、植物に水をやったりする姿に、「スマホやSNSに追われる現代人が忘れてしまった『今、ここ』を生きる豊かさ(禅の境地)」を見出す人が続出しました。
・音楽と映像のセンスが抜群
70〜80年代のアナログな洋楽カセットテープの選曲(ルー・リード、ベルベット・アンダーグラウンドなど)と、下町の古いアパート、そして最先端の渋谷の「THE TOKYO TOILET」のコントラストが、ミニマリズム的な美しさとしてシネフィル(映画通)の心を掴んでいます。
この映画は、平山を「達観した理想の聖人」として観るか、あるいは「過去の傷から逃げ、ルーティンという殻に閉じこもって必死に心を保っている凡人」として観るかで、評価がガラリと変わります。
劇的な展開を期待すると肩透かしを食らいますが、「言葉のない映像に浸り、自分の生き方を静かに振り返りたい」という時には、これ以上ないほど心に深く刺さる作品です。
映画のタイトルである「PERFECT DAYS」の本当の答えを見つけることはできませんでした。
いや、もともと答えは無かったのかもしれません。
本作品は渋谷区内17か所の公共トイレを刷新する日本財団のプロジェクト「THE TOKYO TOILET」の活動PRから派生してできた長編作品のため、作品中にも様々なトイレやユニフォーム姿が見られます。
また、WEBにも差別化が図られており、「映画にならなかった、平山の353日」と題して、文章が掲載されています。
映画鑑賞後に読むと更に理解が深まり、また興味もそそられると思います。
|メインキャスト(役名/俳優)
平山 / 役所広司
タカシ / 柄本時生
ニコ / 中野有紗
|劇場公開日
2023年12月22日
|上映時間
2時間4分
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